上海張江は生物医薬産業の成熟化を促進し、天慈国際の製薬シェア・プラットフォームを構築することで、オリジナル新薬の商業化に向けた最後の1キロの道を切り開き、製薬の製造効率を大幅に高めるだけでなく、業界の総合コストを著しく削減し、国際市場で「張江産医薬品」のブランドを打ち立てている。
先日、上海張江サイエンス・シティーに関わる一連の重要プロジェクトの調印式が正式に執り行われた。上海天慈国際薬業有限公司は、複星凱特生物科技有限公司、上海緑谷製薬有限公司とそれぞれに提携契約を締結し、これにより、2種類の重要な国産新薬に関する産業化生産が張江サイエンス・シティーにて行われることが正式に決定された。
提携契約によれば、長年にわたって研究開発が進められた2種類のオリジナル新薬--(1)複星凱特の新薬であるYescarta、(2)緑谷製薬の新薬であるマンナンオリゴ糖2酸カプセル(GV-971)は、天慈国際の製薬シェア・プラットフォームにて製造され、その後に市販されることが正式に決定された。今回の提携は、国内初の製薬シェア・プラットフォームである天慈国際が正式に稼働開始することも意味している。
上海張江は常に国家新薬研究開発の使命を担い、20年以上の発展を経て、現在では、研究開発資源が高度に集約、イノベーション成果が続々と登場、新技術や新モデルが率先に活用される代表的なハイテクパークとなっている。中国国内最高水準の新薬プロジェクト、技術、人材が張江に集まり、それゆえに「中国のドラッグ・バレー」の誉が与えられている。
近年、張江のオリジナル新薬の成果が次々と現れ、イノベーションのニューフロンティアである張江が収穫の季節を迎えていることを示し、複星凱特と緑谷製薬の新薬は、張江が満を持して迎えた最初の果実にほかならない。しかしながら、解決すべき課題も次々と現れている。こんなに沢山の新薬が一気に誕生するなか、張江は如何にして、製造資源が非常に乏しい環境において、オリジナル新薬の製造を保障していくのか。如何にして、「張江発の研究開発」を「張江発のスマートファクトリー」に変えていくのか。如何にして、医薬品研究開発のコストセンターを徐々に中国イノベーション企業の利益センターに成長させていくのか。
市場メカニズムを利用した斬新なモデルでこれらの課題を解決するため、天慈国際は伝統的な利益獲得の枠組みを取外し、新たな時代に相応しい製薬シェア・プラットフォームを構築している。国の医薬品市販承認取得者(MAH)政策をもとに、天慈国際は数年かけて様々な困難を乗り越えて作り上げた「技術革新の夢工場」は、既に大まかに完成して間もなく正式稼働を開始する予定となっている。
天慈の「技術革新の夢工場」は、張江サイエンス・シティー南区に位置し、敷地面積は211ムー(約140666平米)、建物面積は約28万平米、合わせて20棟の工場が建てられ、最多で80本のGMP製造ラインを稼働させることができる。天慈国際は市場ニーズに応じて、研究開発、製造、販売のリソースを整合し、「柔軟性、開放性、供給性」を特徴とする共有プラットフォームを構築し、オリジナル新薬の商業化実現を妨げる最後の1キロに跨るボトルネックを有効的に解決している。Yescarta、GV971は天慈国際が初調印する提携プロジェクトであり、今後さらに多くのオリジナル新薬が「技術革新の夢工場」にて製造されることになる。
天慈国際の李函璞会長によれば、天慈の「技術革新の夢工場」は理念からモデルまで、従来の製薬工場と比べて大きく異なっている。「皆様ご承知のように、どんな新薬も、新薬発見、臨床前研究、臨床研究、製造、商業化などのフェーズを経験しなければならない。すべての新薬の市販は、製薬工場による支援が無くして実現できるものではない。従来の製薬工場は閉鎖性が強く、往々にして自己の医薬品のみを製造し、社会への奉仕および創造性に乏しく、イノベーションのニーズを満たすのが難しい。こうした疲弊に対して、天慈は世界一流の製薬シェア・プラットフォームを作り上げ、製薬の製造効率を大幅に高めるだけでなく、業界の総合コストを著しく削減し、オリジナル新薬の研究開発による成果の商業化実現率も高めている。」彼女によれば、天慈国際は張江のイノベーション資源を生かし、医薬品の製造、臨床研究、医薬品販売、医薬品登録、金融などのサービスを含め、最新の生物医薬サプライチェーンを丹念に構築し、現在の生物医薬産業が直面する最大の障壁を取り除いている。
上海浦東新区科学技術和経済委員会の唐石青主任によれば、張江生物医薬産業は20年余りの発展を経て成熟期を迎え、国内屈指の地位を占めるだけでなく、医薬研究開発分野では世界にその名を轟かせている。しかし、長年にわたって、張江は生物医薬研究開発能力に比重を掛けているが、製造能力の欠乏は未解決のままであった。
唐石青主任によると、「天慈の製薬シェア・プラットフォームは、今後の生物医薬産業の実力向上に関する張江の思案と革新理念を支えている。国内初の斬新なプラットフォームの登場により、張江生物医薬産業が真の意味でクローズドループを構築し、張江製薬の新時代、新伝説を支えていくことになる。」
張江は既に生物医薬の公共研究開発プラットフォーム、試験や検証用プラットフォーム、学術資源プラットフォームを構築している。サプライチェーンの完全性から言えば、共有の製造プラットフォームのみが欠けている。天慈の製薬シェア・プラットフォームの出現は、今までの不足を補うことになる。市場牽引による投資モデルを採用しているため、将来に向けた力強い活力と競争力が保障されている。
唐石青主任によると、「生物医薬産業は特殊性があり、著名な企業による牽引が必要だけでなく、産業自体の完全性によるサポートも必要である。天慈の製薬シェア・プラットフォームの試みは、張江製薬産業がイノベーション・チェーンからバリュー・チェーンへと変貌を遂げるのに役立ち、イノベーション企業の資金回収、後続の研究開発能力向上に決定的な役割を果たすことになる。」
将来、張江は重点的に天慈の製薬シェア・プラットフォームへ関心と支援を注ぎ、政府のサービス水準を総合的に高め、産業界全体の専門能力向上を促進していくことになる。天慈の製薬シェア・プラットフォームを活用して、研究開発チームの資金調達のプレッシャーを大幅に和らげ、さらにシェア・プラットフォームの専門能力も充分に生かし、品質管理と原価管理の水準を高め、「張江産医薬品」のブランドを世界規模に普及させていくことになる。
天慈の製薬シェア・プラットフォームは、新薬科学技術成果の商業化に向けた最後の1キロの完走を実現し、新薬開発における張江の痛手や劣勢を挽回し、プロ級の行き届いた商業化プラットフォームを構築し、科学技術成果を実際の生産力に転換させている。将来、上海はオリジナル新薬の「発祥地」だけでなく、オリジナル新薬に関わるサプライチェーン全体の整備が進められることになる。