天慈国際薬業

製薬プラットフォームを共有し、「張江薬」を世界に進出させ 

时间:2019.06.10 ばたばたし

今月、国内初の共有製薬プラットフォームである天慈「科創夢工場」が張江科学城に定住し、近い将来アルツハイマー型認知症(俗称:「老人性痴呆症」)を治療する新薬であるソディウム・オリゴマニュラレート(GV-971)がここで生産され、全面的に発売されることになっている。


研究開発から製造に至るまで、GV-971というスター新薬は「張江」烙印を深く付け、世界初の寡糖類マルチターゲット系のアルツハイマー型認知症新薬となり、複雑な病気の治療法として中国ソリューション案を提供する見込みである。同新薬の第一発明者である中国科学院上海薬物研究所の耿美玉研究員は記者のインタビューを受け、「私たちは医薬品科学の国家試験室の設立を申請しており、できるだけ早く、より多くの高品質な医薬品を安価で一般庶民の手に届けたい」という意向を示した。


22年にわたった研究開発を深耕、新創薬の「夢が叶う」


新薬開発への道には、チマチマとした失敗をリカバーしながら進めていかなければならず、成功的な成果をあげるまで、少なくとも10年はかかる。1997年にアルツハイマー型認知症に関連する化合物が初発見されてから、耿美玉チームは22年間ずっと頑張ってきた。


「医薬品を発見する時点から、前臨床研究、臨床研究、量産移行、最終的な商品化に至るまで、絶えず資金を投入する必要がある」。耿美玉は記者に、2009年にGV-971が張江薬谷の上海緑谷製薬有限公司に譲渡したと紹介し、「長年にわたった企業による持続的な投資がなければ、この新創薬は全く誕生できなかった」と語った。


国際アルツハイマー病協会が発表した『世界アルツハイマー病年次報告書」によると、世界では3秒ごとに1例の患者が生じ、昨年は世界で約5000万人の患者がいた。そのうち中国の患者数は1000万人を突破し、2050年までに全世界でアルツハイマー病患者数は1.52億人に増えると予想されている。それにもかかわらず、世界には依然として効果的な治療手段がない。2002年にコリンエステラーゼ阻害剤が発売されて以来、総投資額が数千億ドルに達していたにもかかわらず、世界中における臨床試験はすべて失敗に終わった以降、17年間にわたってこの病気を治療する市販化の新薬がなかった。


昨年スペイン・バルセロナで行われた第11回国際アルツハイマー型認知症臨床試験大会で、GV-971第3期臨床データが世界に初公開された。研究の結果、36週間の経口治療を経、GV-971は患者の認知機能障害を明らかに改善し、世界初の寡糖類マルチターゲット系のアルツハイマー型認知症新薬となり、同疾患の退治医薬品が欠如した歴史に終止符を打つとして有望視されている。


現在、GV-971についての第二期と第三期目の臨床研究及び、腸管菌群の再建、脳炎症の低減などの重要なメカニズムに関する研究は順調に完成している。上海緑谷製薬は昨年10月16日に中国で新薬発売申請を出願し、将来に全世界で臨床試験を展開する予定である。


22年間にわたった弛まぬ努力について、耿美玉は「科学研究者としては夢を抱き、『落ち着き』、『辛抱強い』でなければならない」との見方を示し、「私たちは医薬品科学の国家試験室の設立を申請しており、できるだけ早く、よりの高品質な医薬品を安価で一般庶民の手に届けたい」という意向を示した。


共有製造を模索、「張江薬」ブランドを樹立


関連報道によると、つい最近緑谷製薬が上海天慈国際製薬有限公司と提携契約を締結し、GV-971は正式に天慈「科創夢工場」に定住して量産に移行し、全面的に市販化することになっており、国内初の共有製薬プラットフォームが運用し始めることになっている。


天慈「科創夢工場」は張江科学城南区に位置し、敷地面積211ムーで、合計で20棟の工場建屋があり、最大80施設のGMP生産ラインが配備できる。天慈国際の李函璞董事長は、「あらゆる新薬の市販化にとっては、製薬会社による支援が欠かせない存在だ」と肯定的な評価を示し、「従来の製薬会社は閉鎖性が強いのに対し、共有製薬プラットフォームは、製薬の生産性を大幅に向上させ、業界の総合コストを下げるだけでなく、革新的な研究開発の成果産業化率を高めることも期待できる」との見方を示した。


2015年11月、中国は医薬品市販承認取得者(MAH)制度を施行し始めた。(MAH)制度を施行し始めた後、販売許認可手続きを量産許可手続きから分離させ、新薬産業化への参入条件とコストを大幅に削減し、新薬開発企業の高品質な新薬にとっては許認可手続の迅速化への登竜門となっている。昨年11月現在、浦東新区全域で出願者企業36社が提出した58品種のMAH試行申請を受理され、そのうち国内外でまだ市販化されていないⅠ類新薬は市全体の97%を占めた31件で、大半は張江の開発成果であった。


こんなに多くの新薬を集中して登場させた張江は、生産資源が不足している中で、如何にして新創薬の量産化を確保したのか?如何にして「張江研究開発」から「張江知的生産(IntelligentManufacturing、IM)」へ伸ばしたのか?


張江生物医薬基地開発有限公司の楼琦総経理は、共有製薬プラットフォームが新たな趨勢となり、それによってボトルネック諸課題を解決することが期待され、次のステップとしては、張江科学城に戦略的研究開発パートナーシップと生産(CDMO)のハイエンド生産能力などを導入する方針を表明し、「成熟したCDMO技術、供給規模、ビジネスモデルを活かした運営は、バイオテクノロジー会社が産業化を実現する為の主流パターンとなっている」との見方を示した。


また、官公庁が共有製薬プラットフォームに重点を置いて支援し、サービスレベルを全面的に向上させ、産業全体の専門化能力を整備している。天慈共有プラットフォームを通じて研究開発チームの資金圧力を大幅に下げるだけでなく、同プラットフォームの専門化能力を利用し、品質管理とコスト管理レベルを向上させ、「張江薬」ブランドを世界に響かせ、上海製の新薬を全世界に進出させる。


「私たちはより多くのⅠ類新薬とハイエンド医療機器などの優良なプロジェクトを上海市に残しておく」。浦東新区の関連担当者によると、生物薬剤産業の発展について、張江薬谷は質向上・生産拡大を図り、生産拡大を行う優良な企業を全力で支持する方針を固めた。それとともに、新場、合慶などの新設生物医薬産業基地は建設加速化に励み、年内に運用し始めるプロジェクトを育成し、開花して実り多い成果を収めるよう目指して取り組んでいる。