本日、上海天慈国際薬業有限公司は北京亜東生物製薬有限公司と198件に及ぶ医薬品市販承認取得者(MAH)提携契約を締結し、これによって、市場の売れ行きの見通しが明るく、技術水準の高い医薬品の数々が、張江サイエンス・シティーにて製造されることが決定された。。
上海の医薬品研究開発成果の商業化はMAH制度改革によって飛躍的な発展を遂げる、約200種の医薬品が張江にて製造されることになる
中新網上海4月20日付記事(記者:陳静):上海張江ハイテクパーク内の天慈国際薬業有限公司は、4月20日に北京亜東生物製薬有限公司と198件に及ぶ医薬品市販承認取得者(MAH)提携契約を締結し、なかには36件に上る中国の独自開発医薬品が含まれ、これによって、市場の売れ行きの見通しが明るく、技術水準の高い医薬品の数々が、張江サイエンス・シティーにて製造されることになり、長年にわたって生物医薬科学研究開発実績が豊富であるにもかかわらず、開発実績の商業化実現で頭を抱える上海医薬産業にとって、大きな一歩を踏み出したことを意味している。
調べによれば、長年にわたって、上海は中国医薬産業ランキングでいつも上位を占めていた。しかし、医薬分野の科学研究開発能力は突出しているが、開発成果の商業化はなかなか実現できないという課題は未解決のままであった。上海の土地代は高額のみならず、土地資源自体が極めて少なく、研究開発機関にしてみれば、上海現地で新薬技術を生かして商業化生産を行うことはほぼ不可能であり、それゆえに、上海の医薬産業技術の外部流出は深刻な問題となっている。
上海は既に医薬品市販承認取得者(MAH)制度改革を試行する地域に選定されている。情報によると、医薬品市販承認取得者(MAH)制度は、国の薬品法規に関するさらなる改革における重要な措置であり、薬品製造承認番号が薬品製造許可証を有する製造企業にのみ交付されるという従来のモデルを打破している。国内初の医薬品市販承認取得者(MAH)制度を試行する地域の1つとして、上海は今までに成長を妨げるボトルネックを解消し、医薬産業の新たな時代を迎えることになる。
上海天慈国際薬業有限公司の李函璞会長によれば、「薬品製造企業のみならず、研究開発機関や研究者も医薬品市販承認取得者に成り得ることは、MAH制度の最大の優位性である。研究開発に従事する側がある種の新薬を開発した後、工場を建てるか否かについて悩む必要はなくなり、適切な製薬会社に製造を直接依頼することができ、これによって、莫大な社会資源を節約できると共に、新薬研究開発の積極性も高めることができ、薬品研究開発から成果の商業化実現に向けた「最後の1キロ」の道を切り開いたことを意味している。」
上海天慈国際薬業有限公司の池王胄副総経理によれば、天慈国際が作り上げる最新な産業モデルは、生物医薬の研究開発、製造、販売のリソースを整合し、サプライチェーンを統合する同業種プラットフォームとして、「柔軟性、開放性、供給性」を特徴とする共有プラットフォームを構築している。MAH制度を拠り所とするこうした斬新なモデルは、産業界全体の生産性を共有し、研究成果の商業化実現を妨げる最後の1キロに跨るボトルネックの解消を目指している。
上海にしてみれば、198件に及ぶ医薬品市販承認取得者(MAH)提携契約の締結により、医薬産業に数多くの技術成果の導入が実現され、上海の医薬研究開発成果が外部へ流出する事態をある程度に食い止めることができる。提携者にしてみれば、MAH制度は彼らにも優位性をもたらすことになる。北京亜東生物製薬有限公司の付建家総経理によれば、MAH制度を拠り所とする提携は、事業転換を目指す彼らにとっても、その過程で直面する製造のプレッシャーを和らげることができる。
今回の医薬品提携プロジェクトの実施場所である張江は、中国生物医薬イノベーション事業のニューフロンティアであり、世界の医薬分野における高水準の技術、プロジェクト、人材が集まっている。現在、張江生物医薬産業は上海市全体に占める比重は約1/3となっている。2017年、張江生物医薬産業の生産高は633億人民元に達している。
上海市張江ハイテクパーク管理委員会の張翎副主任によれば、現在、張江には11社の企業、16種の新薬がMAH制度の試行に参加している。試行に参加する張江ベースの企業数は上海市全体の69%を占め、試行に参加する張江ベースの新薬品種は上海市全体の64%を占めている。本日、天慈国際薬業有限公司の198種の医薬品がMAH制度を利用して張江にて製造されることになり、このことは上海医薬産業におけるMAH制度の試行、普及、拡大にも繋がっていくことになる。
情報によれば、天慈国際が張江サイエンス・シティーにて投資建設中の生物医薬成果の商業化基地は、間もなく完工して稼働開始する予定であり、今回調印した198件の提携契約に関わる医薬品は、当該基地で最初に製造される品種となり、基地成長の歴史において重要なマイルストーンとして位置づけられることになる。