2019年1月17日,張江科学城で一連の重大プロジェクトは正式に調印した。そのうち、上海天慈国際薬業有限公司はそれぞれ、複星凱特(FOSUNKite)生物科技有限公司、上海緑谷製薬有限公司と提携契約を締結し、Yescartaとソディウム・オリゴマニュラレート(GV-971)カプセルという2種の重要な国産新薬は張江科学城で産業化を実現することになっている。
FOSUNKiteの新薬YescartaはCAR-T療法に基づいた現在世界最先端の悪性腫瘍治療技術として有望視されている。緑谷製薬と中国海洋大学、中国科学院上海薬物所による協力の下で開発したソディウム・オリゴマニュラレート(GV-971)カプセルはは全世界で16年以来、新登場したアルツハイマー型認知症治療の新薬で、現在、III期臨床試験を完成し、量産許認可の申請手続取扱中で、量産に移行する予定である。今後、上記の2種医薬品は、本格運用開始した天慈国際共有製薬プラットフォームで量産され、全面的に発売される。この共有製薬プラットフォームに関しては、これまであまり記事として報道されていないということである。
張江は「中国薬谷」と呼ばれ、国家の新薬開発の使命を担っており、現在、研究開発資源が高度に集積し、革新的な成果が続々と大量に出現し、画期的な新技術・新モデルを特徴付けているシンボリックな科学技術パークとなっている。近年、張江で新創薬の成果が続々と現れ、新薬が輩出している。上海浦東新区科学技術と経済委員会の唐石青主任は、張江生物薬剤産業は20年余りにわたった発展を経て成熟期に入り、医薬研究開発分野においては世界的に有名になっっていると紹介した。しかし、長期にわたり張江は生産製造へのサービス能力が不足してきた。
張江は、生産資源が不足している中で、如何にして新創薬の量産化を確保したのか?また、如何にして「張江研究開発」から「張江知的生産(IntelligentManufacturing、IM)」へ伸ばしたのか?如何にして医薬研究開発の「コストセンター」から中国革新企業の「利益センター」へと次第に成長を遂げたのか?……市場化の革新モデルを通じ、研究・生産・販売資源を統合し、「柔軟、開放、奉仕」を具現化した共有製薬プラットフォームを形成することにより、新創薬産業化における「最後1キロ」の関門を突破することができる。従って、将来、上海は新創薬の「策源地」だけでなく、新創薬の全産業チェーンの生態圏にもなることを意味する。
消息筋によると、新薬の実用化は、医薬品を発見する時点から、前臨床研究、臨床研究、量産移行、最終的な商品化に至るまで、一歩一歩で前へ邁進しなければならないということである;従来の製薬会社は閉鎖性が強く、多くの場合、自社医薬品だけを生産し、社会サービス性と創造性に欠けている。共有製薬プラットフォームにより、医薬品生産サービス、臨床研究サービス、医薬品販売サービス、医薬品登録サービスと金融サービスを含め、斬新な生物薬剤生態チェーンを構築しており、現在、生物薬剤業界が直面している痛点を解消した。
国家の医薬品市販承認取得者(MAH)制度の下で、天慈国際により創立された共有製薬プラットフォームである「科創夢工場」がほぼ落成し、近いうちに運用し始めることになっている。「科創夢工場」は敷地面積211ムー、建築面積28万平方メートルで、合計で20棟の工場建屋があり、最大80施設のGMP(規範化した医薬品生産の品質管理)生産ラインが配備できる。
唐石青は、天慈共有製薬プラットフォームの革新と発展は、張江が将来の生物薬剤産業の新しいグレードアップを見据えた構想と革新を担っていると考えている。天慈共有製薬プラットフォームの試みと革新は、張江製薬産業が革新チェーンからバリューチェーンへの邁進に牽引役を果たし、革新企業の資本回収と黒字化、あとに続く研究開発のアップグレードにとっては決定的な役割を果たしている。同時に、共有製薬プラットフォームにより張江生物薬剤産業は真の閉ループが形成され、製薬の新時代を切り拓いていけるとして有望視されている。